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『神様のカルテ』を読みました。

[2011年09月08日]

神様のカルテ
神様のカルテ
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平林亮子です。
『神様のカルテ』を読み、映画も見ました。

ちょっと変わり者の医師の日常を描いた不思議な作品です。
医師が主人公なので「死」の場面などもありますが、それもまた日常の中に溶け込んでいて、無理にドラマティックなシーンを描いているわけでもないのに、じんわりと感動を覚える物語でした。

映画は最初から最後まで泣きっぱなしでした。
たぶん馬鹿みたいに泣いていたと思います。
涙はハンカチで抑えられますが、だんだんと鼻水も止まらなくなってポケットティッシュ1個を使い果たしました(笑)
「普通そこまで泣く?」と自分で自分に突っ込みを入れたくなるほど泣きました。

......私の兄は医者です。
少し前まで、会うたびに激やせをしていたり激太りをしていたり、青白い顔をしていたり、とてもまともに暮らしているとは思えない有様でした。
口には出さないけれど、激務であるだけではなく、常に心に「何か」を背負っているのではないか、と感じました。
両親は「もう医者を辞めさせよう」と何度語り合ったことか。
でも、兄は異様にまじめ。それでも辞めない。逃げない。
疲れ切った医師が働き続けることが、果たして患者さんや社会にとっていいことなのかはわかりませんけれど。

また、弊社のクライアントには医療関係の企業もあります。
兄以外の医師と接する機会もありますし、いろいろな医療の現状を見聞きすることもあります。

だから、この物語をとても身近に感じましたし、言葉一つ一つが自分に突き刺さるようでした。
医師の苦悩や現代の医療問題などが頭の中を駆け巡ってしまい、苦しいような、切ないような、申し訳ないような、複雑な気分になったのです。と同時に、すごく幸せな感動も覚えたのですけれど......。

この本を読んで、映画を見て、「この物語は医師側の視点で綺麗に描かれ過ぎてる」と感じる方もいるかもしれません。
医師が死や自分の無力さに対して葛藤を覚えているように見えないかもしれません。

また、
「私は病院で嫌な思いをした」
「お医者さんに嫌な思いをさせられた」
「医者だからってえらいわけじゃない!」
と思う方もいるかもしれません。

正直、私も病院はあまり好きではありません(笑)
医師の病気や死に対する反応は、一般の人からするととてもクールですし、実際、一人一人の患者さんに注げる力は限られていますから、患者側からみると不満も多々あります。

でも、きっと多くの医師が戦っている。葛藤している。
医師の葛藤は、私の知る限り、とっても静かなんです。一人静かに抱えている。
周囲からはクールに見えても偉そうにしているように見えても、今日も激務の中で、ほとんどの医師が病気や死と真剣に向かい合っているのだと思います。

『神様のカルテ』という医師の日常を淡々と描いた物語の中に、そんな人間の葛藤が深く刻み込まれているような気がしました。

自分の仕事が「他人の命」と直接かかわっているのは、本当に大変なことなのでしょうね。
(「だからこそ多くの感動もあるんだよ」と言ってくれる医療関係者がいることには救われます。)

稚拙な感想文になってしまったかもしれませんが、自分の素直な想いをメモしてみました。

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