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エルピーダメモリが会社更生法の手続き開始申し立て......

[2012年02月28日]

書籍ではありませんが、
エルピーダメモリ平成24年3月期第3四半期決算短信
を見てみました。

エルピーダメモリが、2月27日木曜日、会社更正法の手続き開始申し立ての申請をしたとのことで気になったためですが、いろいろと驚くことがありました。

まず、決算短信の表紙を見ると、前年同期に比べて、売上高が半減。その結果、営業損失、経常損失......と、赤字決算であることがわかります。
さらに詳細な内容を把握すべく、損益計算書を見てみると、なんと、売上総損失が計上されているではありませんか!
売上高219,610百万円(=2196億1千万円)であるのに対し、売上原価は262,777百万円(=2527億7700万円)。
ざっくりと言うと、120円で作ったものを、100円で販売している状況。
120円で作ってはみたものの、100円でしか売れなかった、ということでしょうか。
円高の影響も大きいものと思われます。
これではビジネスを継続できるはずもありません。

それから、もう1つ注目すべきは、第3四半期決算短信の5ページにある、継続企業の前提に関する重要事象等の概要に関する記述。以下のように書かれています。
「当社は、平成21年6月30日に経済産業省の認定を受けた産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく事業再構築計画(以下、本計画)に沿って事業活動を遂行しており、本計画の実施期間は平成24年3月31日に終了することが予定されています。本計画の終了に伴い、㈱日本政策投資銀行に対して発行した優先株式に対する金銭を対価とする取得請求権は、平成24年4月2日以降、同行による行使が可能になります。また、本計画に基づく主要取引銀行を中心とする金融機関からの借入も平成24年4月2日付でその返済期限が到来します。上記の他、今後1年間に有利子負債の返済も予定されており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。」
つまり、株主にお金を返すと同時に、借金の返済も必要になるので、資金繰りはかなり厳しいとのこと。
自己資本比率は見た目上、30%前後なのですが、実際には、返金の可能性のある純資産があったということなのですね、、、
表面上の数字だけで判断しては危険だということをあらためて実感させられました。

ちなみに、継続企業の前提に関する重要事象等は、今後ビジネスを継続できないかもしれない、という場合に記載されるものですから、決算短信や有価証券報告書を見るときは、ぜひ、目を通してほしいところです。

なお、この決算短信が2012年2月2日に出て、同月27日に会社更生法の手続き開始申し立ての申請。

公のお金ともいえる資金が投入されていることもあり、今後の動向が気になるところです。

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